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 あやまろ工房

『絵のない日記』〜そら猫通信

しのぶべき人もなき身はある時にあはれあはれと言いやおかまし  和泉式部

2016年10月05日

そばがきは馬の鼻息で


このあいだ「真田丸」の『歳月』の回で“そばがき”がでてきた。

紀州九度山での幽閉生活が長くなり、弟が財政逼迫を打ち明けるとお兄ちゃんが、お前たちにひもじい思いはさせない、と意気込んで定期便で送ってきてくれるのが、蕎麦の実、いっぱい。


これを石臼でごろごろ挽くとそば粉が出来上がる。
現代ならば貴重品、国産、産地直送、信州蕎麦粉!

しかし
「今月も そば・・・」の源次郎さん一家。
そばがきを作って一杯十文で売ろう!となったが、馴染みのない食べ物のせいか商いにならず。
お話の時代設定は慶長19年(1614年)ころ。


今普通にいうそば、細長く切ったいわゆるそば切りは、木曽 定勝寺、天正2年(1574年)の寄進記録に『振舞ソハキリ (ふるまいそばきり)』とあるのが日本で最古の記録ということだ。
そば切りの形での食べ方はすでに知られてはいたが、まだ珍しいもので一般には広まっていなかった。

売れ残ったのを、ほそく切ったらどうかな、とか言っていた。さすが信州人食べ方いろいろご存知。
それって十割そばといえないか。

劇中登場したそばがきは、茹でたものだった。


ウチの田舎では、母がいつもお湯をそば粉にかけて手早くかき混ぜて出来上がり、だった。
そして食べる前に決まっていうことには

そばがきは馬の鼻息の湯気で混ぜるのが一番いいんだよ


温度がちょうど良いんだとか。
そばがきを前にすると必ずこう聞かされたものだから、そばがきというと、白い鼻息をフンフンと出しながら首を伸ばしてくる馬の幻影が浮かぶようになった。

冷静になってみると本当に鼻息だけでできるのか? どうやって? お湯の温度のことを言っていただけなのか? と思うのだが、子供はそんなこと聞かされたら「そうなんだー」と信じるだけでなにも疑うなんてことしなかった。


そばがきと愛すべき馬面の幻影は永遠のワンセットとなって、いまだって現われる。
近所の神社に神馬がいて、鳥居前の小舎からよく表に顔を出していたのを近くで見上げていたから、その面影が重なっているかもしれない。


そばがき
味付けといって醤油をつけるだけのものだったから、こどもには正直あまりおもしろいものではなかった。
味だの喉越しだの判るわけもなく。


ふと、ところで慶長年間の源次郎さんたちは、そばがきにしろそば切りにしろ、味付けはどうしていたんだろうと思った。

当時たぶん味噌は自家製で作っていたことだろう。
その上澄み(たまり)を汲み上げるか、味噌を搾るかして、たまり醤油は手に入った。
江戸中期までの主流はこのたまり醤油だったそうな。

味噌だれ、醤油だれが作れたわけだ。

そば湯にちょこっといれたらいけそうだ。


私のそば神話
ヤマゴボウの葉をつなぎに使った手打ちそばの、そば湯のえもいわれぬ濃厚な甘さ。
わすれがたし。

父親が健在なころ、昔の赴任地だった長野県山内町の知り合いの民家へ連れて行かれ、食堂になっている座敷にあがって、手打ちそばを振舞ってもらった。
ゴボウの葉をつなぎに使っていると説明されても、ありがたみのわからない若いころで、ちょっと透き通っているぐらいの感想しかもたなかった。
で、そば湯が出て飛び上がるほどびっくりした。甘い。
甘い!  砂糖とは別次元の、これはいったいなんというかこの甘さ。
あれは、、、私のそば神話その壱です。
評判だという蕎麦屋に連れて行かれてもそば湯が供されるとフーンと冷める人間が、ここで出来た。


甘味
味醂は一説に、中国から密淋(ミイリン)という甘い酒が、戦国時代ごろ伝来したといわれるが、高級品だったということで、九度山の真田家の台所にはまずなかっただろう。

『本朝食鑑』元禄8年(1695年)に焼酎を用いた本みりんの製法が記載されている。

それに先駆けて創意工夫の源次郎父さんが焼酎を使っての味醂作りを研究していたなんてことなら面白いが、幸村公は焼酎好きと伝わるので、途中でみんな飲んじまって完成をみることはなかった、とここでは結論しておこう。


昭和の信州の田舎のウチの台所にも、味醂はなかったけどね。


赤椀に龍も出そうなそば湯かな   一茶


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posted by そら猫@あやまろ工房 at 20:15| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月22日

ねこの砂糖壷 修復完了

縞猫の砂糖壷。
コーヒー用にきび砂糖を入れてPCの作業台に常備している。

タオルを手にして脇を通り過ぎようとしたら、耳に引っ掛けて頭が落下、みごとに割れた。
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先方は忘れてしまっただろうが、もう何十年も前に甥っ子たちが贈ってくれたもので、一度落っことしてやはり頭が割れたけれど、軽傷だったのでちょいちょいっとアロンアルファ登場でしのいだ。
しかし、今回のこれは・・・

しばし呆然ののち、しかし、拾い集めたね。
かけらを指で弄っているうち、なんとかなるかと思ったね。
アロンアルファ登場。


どうだ!
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復活! そう復活するのだ!  Aufersteh'n, ja aufersteh'n
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というわけで日々、これまでとかわりなくミルクと砂糖をたっぷりいれたコーヒーをいつもの手順でいつものように飲んでいる。
いつもとかわりないという幸福






おなじく不注意で落っことして割ったメダカどんぶりは、さすがに修復というわけにはいかなかったものでずっとグジグジ悔やんでいた。今はまぼろしの・・・
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が、泳ぐメダカとお食事をする楽しさが忘れられず、めだかのどんぶりを探し続けていた。


みつけた。


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外側に7尾。

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食べ終ると姿を現す子がいて、内側に3尾。

総勢10尾。かわいい。

めだか水槽を覗いてここには5尾いる、と思うとじつは6尾いる。
この水槽は7尾いるのか、いやもう1尾いた、みんなで8尾か。
というふうに、じつはもう1尾隠れているんだよという経験を重ねて“めだかの法則 プラス1いる”をみつけた。

このどんぶりの住人は10尾。









posted by そら猫@あやまろ工房 at 16:40| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月09日

午後のうどんで勉強

お昼は五島うどんを食べた。
手延べで引っ張るから断面が丸い麺で、口当たりがやさしく、コシにはこだわりなしというか無くてかまわない「やわらか派」だから時間長めに茹でたが、「本体がしっかりしてますからね。崩れませんヨ」といったふうな余裕で程好い歯ごたえになり、あごだしスープと好く合って、おいしゅうございました。口福という感じで麺の後味が心地よく残っている。



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ゴチソウサマデシタ

つゆの最後の一滴まで飲み干すと
六匹のメダカが出てくるどんぶりでいただいた
楽しいネ 



飛び魚が跳ねている絵の付いた「五島手延べうどん あごだしスープ」をスーパーで見つけ、あごだしってどんなもんだろう?と何となく買って、麺はあとからとりよせたものだ。お試しにというつもりだったから少量でも、ネコポスってメール便で届けてくれるお店があってありがたい。
ん〜、同じあごだしスープとはいえ微妙に違いがあって、麺に付いてきたスープよりはこちらが好みに合う。所詮はそれぞれの好みだものね。

手作り関西風うどんつゆにはまって、折りよく頂き物でおいしい乾麺のうどんが手に入り、蕎麦とはちょっと疎遠になっているほどだ。
あなどるなかれ信州産のうどんだった。普段選んでいる蕎麦と同メーカーだったから驚いた。
でも長野県って小麦粉消費量は日本トップクラスなんだね。
粉もの。あー、おやきとか、おやきとか、おや・・・?
 野沢菜のおやきのようなクレープが絶品です!  ってそれは白馬村のフランスのコミカド先生のセリフだからね。そんなクレープはない、はずだけど誰か作ってみたりしちゃってたりして

おやきはね、今じゃいろんなお店が扱ってるけど、結局小さい頃食べたじぶん家のが一番だなという結論だ。
まぁ諏訪SAの売店のは比較的おいしいと思った。

うどん用小麦粉消費量日本一は、香川県。(^0^)だよねー
讃岐うどんに合った品種改良をしたオーストラリア産を使っているとか。

北海道産小麦粉使用と謳っている某大メーカーの玉うどんが、味も素っ気もなくて驚いた。どうすればおいしく食べられるものか考えるから猶予を下さい、と冷凍庫に放りこんである。
んん〜、パンは北海道産の小麦粉がおいしく焼けるんだけど、パンとうどんは違うのか。
これから研究してみよう。


☆そうだ!!
五島うどんで30年間の勘違いが訂正された件

うどんは長崎県の五島からはるばるやってきたからね。
五島列島。

昔上海へフェリーで向かったとき、「今五島列島沖を通過しています」なんてアナウンスに「あー遣唐使のあとをたどるのだぁ〜」と感慨に浸ったものだ。初海外旅行だったもので。

思い出して、当時のノートを実に久しぶりに引っ張り出してみた。

1986年9月9日12時20分神戸港出港。

9月10日朝7時のメモ
北緯31゜
東経130゜24′
     ↖記憶さだかでない

左手に島影が見える五島列島?



緯度経度が書いてあったので日本地図を出してきて「うどん〜のォふるさとは〜」とながめたら、なんか、違う。
北緯31゜は九州本土南端の鹿児島県佐多岬だって…? 
地図上の北緯東経の数字をたどって謎に迫る、ちょっとJOKERの伊達さん気分よ 

北緯31゜ 東経130゜24′
えっと、大隅海峡を抜けて進行方向右手に佐多岬、すると左手に見える島は種子島屋久島などなど。

なんと鉄砲伝来、世界に誇るロケット発射基地、縄文杉のほうをとっとこ航海して行ったのかい? え!?

五島列島沖航行中のアナウンス、聞いた…はず。
いったい… 五島列島の名前どこからでてきた?
しっかり北緯東経の数字をメモしていたということは、こちらこそ船内放送があったという証だ。

間違った記憶をこれ大切と抱えてこれまで生きてきたのか!
脳が記憶の捏造をしたのか。いったいどこを漂って行ったのか。
ショックで頭の中が大混乱した。

 記憶にたよる証言の当てにならないことかくの如し


整理した結論

フェリーの航路から
・五島列島を左に遠望するには、瀬戸内海を通り関門海峡を抜け対馬海峡を進んで上海へ向かうことになる。その航路をとるのは大阪港発である。

・神戸港出港のフェリーは南下し紀伊水道を抜け、四国を右手に西南に向きを変え、大隅海峡を通り東シナ海へ出て上海へ向かう。

私は神戸から船に乗った。
そして
出港した日の午後の記録から〜

 海見ていて飽きない。
 潮目で色が変わる。
 波打ったり、つやつやと平らになったり。
 茶色になったり、ペイニーズ・グレー、
 灰色、銀紙を広げたように白く、黒く。
 陽光を受けた水平線は白く光る。

というわけで、この船旅では五島列島を見ていないことが判明。
九州本土南の大隅諸島、鉄砲伝来のほうの島影をポーッと見ていたのだ。

何故ならば、瀬戸内の航路を行ったのなら出港日の午後に、水平線は見えない


いまにしてわかったこと。
あの時見ていたのは太平洋だったのか… 
そうだよねぇ、なあんも視界の邪魔をするものがなかったもんね。
その昔屋久島には鑑真さんや吉備真備も立ち寄ったというか漂着したというし。遣唐使の足跡ってあちこちにあるのね。
そういえばフェリーの名は「鑑真号」だった。
マイルドセブン¥220の時代のこと。
今は「新鑑真号」になっている。

北緯31゜を、水陸かまわず西進すると、ニューデリー、カイロへも行ける。そのままどんどん行くとニューオーリンズだって。
地球を輪切りにすると面白いね。

午後のうどんでいろいろ勉強、でした。

教訓:記憶はあてにならない
 すごいショックなんだな、これが





posted by そら猫@あやまろ工房 at 02:59| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月04日

Dr.倫太郎オムライス

作ってみた 

ドラマ「Dr.倫太郎」のなかで、ひのりんが作っていたオムライス。

玉子料理は好きだけれど、オムライスはご飯とケチャップの組み合わせがどうも好みでなくて、作らなかった。ケチャップがあまり好きでないというか。
が、パスタとケチャップならいいんだ。ナポリタン、でしょ。1.6mm麺をぷわぷわふやけるまで茹でて、たっぷりのケチャップの水分を飛ばしてから、からませたのがいい。

なんかね、Twitterで、倫太郎オムライス作ってみた! 作った! って画像つきでいろんな形のがでてきて、美味しい、簡単、失敗した、チャーハンになっちゃった、おかんが作ったのはどーみてもお好み焼きだ、とかみんな楽しそうでさ。
ん〜 作ってみた

ご飯、具材、卵、ケチャップをボールの中で全部まぜちゃう。一人前卵は2個、ご飯や具の量によって3個は使おうか。味付けはこんなもんか?で適当。まぜまぜすると・・・なんだこれだいじょうぶか・・・
それをフライパンでしゃかしゃか炒め、形を整えて出来上がり 

出来たのよ
珍しくこーんな、それらしき形にできた。執念じゃ〜

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おぉ、これは味もいけますわ
今度はたまごをもっとふわふわに仕上げてみせようぞ

しゃかしゃか炒める倫太郎先生の手つきがいいもんだから、ほーと感心したのだけれど、そうだ中の人は南極料理人の西村君だものねぇ。


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映画「南極料理人」のDVDは、冷蔵庫にラーメンの在庫はあるか、おにぎりの具になるものはあるかを確認してから、観る。観終わるとどちらか必ず食べたくなるから。両方そろえば至福というべし

真ん中に張り付いているのは昨年エプソン品川アクアスタジアムでスカウトした、マグネットペンギンみなみちゃん。皇帝ペンギンのひな(だと思う。模様から推してたぶん)




posted by そら猫@あやまろ工房 at 22:33| 神奈川 | Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする