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 あやまろ工房

『絵のない日記』〜そら猫通信

しのぶべき人もなき身はある時にあはれあはれと言いやおかまし  和泉式部

2016年11月03日

長使英雄泪満襟


『真田丸』 源次郎くんが源次郎さんになって、いまは幸村様である。(私的呼び方)
本人が名乗った証拠はないとかいわれたって、400年の時のなかで慕われ続けた名前をそうやすやすと素通りはできませんわね。


九度山を出て大坂城に戻った左衛門佐幸村様の、際立つ切れ者の風貌。

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これは どこかで おめもじ していたような 既視感 デジャ・ヴ déjà vu
この額の感じ、そこはかとなく似ている。
髭の形は違うのになんというか、似ている。

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川本喜八郎作 諸葛亮孔明

諸葛亮が大坂城にいるぅ。

いやいやこれは報われない幸村様。
豊臣?どうでもいいわ。城が堀を埋められたらおしまいなんて、戦オンチ素人な私でもわかるもん。
そこへ一直線だよ、もう 



あくまで吉川英治版『三国志』の諸葛亮像に魅了されてのことではあるが、川本版諸葛亮は最高の具現体であり続けている。


TVドラマ、映画と『三国志』をみるお目当ては諸葛亮品定めだ。
この役者じゃぁねぇ・・・と、平気でスイッチ切るから。
当然ながら第一に頭が良さそうにみえなければいけないよね。

TVドラマで、湖北電視台『三国志 諸葛孔明』(1985年)の、李法曽さんはよかった。
ドラマそのものも変にスケールを大きくしたりせず、諸葛亮に焦点をしぼったいい人間ドラマだった。

後年の作り話といわれる“空城の計”を取り入れて、魏の司馬懿軍を前に楼上で弾琴する丞相を従者が背後からうかがうと、着衣の背が汗でぐっしょり濡れていた、とか、軍律を破って投獄されていた馬謖が“馬踏飛燕”像を彫っていて、なにしろ「泣いて馬謖を斬る」だから処刑前に会いに来た丞相に、「ご子息様のために作っていましたが間に合いました」といって差し出すとか、けっこう泣きのツボをつかれた。


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馬踏飛燕 漢代(甘粛省博物館)  速きこと飛ぶ燕を踏むほどの馬




その昔、成都の武侯祠詣でをした。 

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静遠堂の諸葛亮像


チャイナと日本じゃ感性が違うので、扶桑の国で勝手にイメージを膨らませるのもほどほどにしないと、とは承知の上だが、やっぱり本場へ行ったのは感慨深かった。

空を見上げれば全天曇り、高く遠いところに見えるほのかに明るい小さな円は雲のむこうの太陽。
蜀犬日に咆ゆ━━蜀は日が差す事が少ないゆえ、たまに日が差すと太陽に向かって犬が吠える━━ を実感した。



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売店で買った孔明像二体


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きりちゃんに“得体のしれないじじい”といわれそうですね 😃




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丞相祠堂何処尋
錦官城外柏森森




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成都だから杜甫草堂も行ったが、売店で詩のしおりを買おうとしたら、値札と言い値が違うから注意したらクシャッと値札を丸めるとガンガンと口撃してきたな、店員。
引いてたまるかと言い返してやりあったが、悔しいことにしおりは欲しかったので途中で折れたのが今でも癪に障る。

その旅は初上陸地の上海で『三国志 連環画』全巻を手に入れていた。
上海から桂林は清潔な4人用コンパートメントを独占して快適な鉄道の旅だった。下段のベッドから落っこちたけれど。
客が少なくてのんびりしていたのもあって服務員と筆談で親しくなった。
上海で買ったと得々として『三国志 連環画』をみせると、きょとんとして、中国が、三つに分かれて、と指を三本出し、喧嘩したんだ、と両手の指でチャンバラしてみせた。

単純にいえばそれだけのことだよなぁ、と思うと同時に、よその国が内輪で戦争していた話がおもしろいのか?と問われたような気がして、のんきな野次馬という立場を思い知らされ、ちょっと居心地の悪さを感じた。


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南宋の岳飛将軍が、成都の武侯祠に詣でて感激し、『出師の表』を書写した。その書が彫られて壁に嵌めこんである。

宰相秦檜は気に食わない岳飛を冤罪で謀殺した。謀反罪ということだが、軍人の韓世忠が「岳飛の謀反の証拠があるのか」と意見をすると、秦檜は「あったかもしれない(莫須有)」と答えたという。

あったかもしれない、で有罪とは。。。
日本では、平清盛が文字通りの弱冠者として京の大路を歩いていたころだ。

かつてありこれからも、こんな展開が人間世界では繰り返されるのだろう。

しかし、日の本の国とチャイナとの感性の違いは重々心に留めておくべし。



定めなき浮世に候へば一日さきは知れず候    真田左衛門佐信繁

日本語の響きにほっとする。




posted by そら猫@あやまろ工房 at 18:59| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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