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 あやまろ工房

『絵のない日記』〜そら猫通信

しのぶべき人もなき身はある時にあはれあはれと言いやおかまし  和泉式部

2017年06月27日

べらんだ日和 ちび若丸だよ

鳩の一家がベランダで子育てをしている。


5月29日生まれの ちび若丸 
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おチビちゃんと呼んでいたが、掃除のため近づいた私の手を、小さい翼でファサッと払った野生の姿に惚れ惚れした。
立ち姿がなかなか凛々しい。ちょっと若武者風に呼んで、ちび若丸。
でもまだちびだから、「おとうちゃ〜ん」とすばやくちょこちょこ駆ける姿がなんとも可愛らしい。

ちかごろは巣立ちの準備に入って、源次郎父さんがしきりに、つき離したり見守ったりと躾をしている。

ちょっと離れた高いところからグーグーグーと呼びかけると、ちびは床を走ってそちらへ行くが、まだ飛び上がれないから下でうろうろするばかり。
その様子をうかがう父さん
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あっちで声がするのに、どうしたらいいんだろう、の ちび若
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ちび若日記

6月16日
めだかのえさやりで近づいた私に警戒して、初めて立ち上がった。
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巣の中をうろうろ歩いてみた。

いつのまにか、巣の外にいた。推定━おっこちた
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キョロキョロとちょっと冒険してみる。

棚の下の物陰に。
跳び上がれないので巣にもどれない。今夜はここで過ごそう
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その朝は、二期目の卵の数が、鳩の定番2個に増えていた
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巣を覗き込んであらァと驚いて振り向けば、小春ちゃんが珍しく手すりからじっとこちらをみている。ゆっくり顔を見合わせるのはようやく二度目だ。
小春ちゃんの目の上、人なら眉のあたりが窪んでいるではないか。
あー、卵を産むのも大仕事だよねぇと労うと、うつむきがちにちょっと横を向いた。



6月17日
一夜明けて、ちびは元の巣の背の高い鉢の下にはりついていた。
ともかく生きていてほっとした。

卵が2個になったことで両親が抱卵に集中するあまり、ちびは育児放棄されるんじゃないかと不安になる。
鳩って何考えてるだ、とやきもきするが、調べたら育児中に産卵というのはけっこうあるそうだ。 

どうやら、給餌は源次郎父さんが専任であたるようだ。小春母さんは交代でやってくるとひたすら卵を抱き、ちびに近づくことなく去って行く。


ベランダを探検して小さいながらも逞しく、棚の下に鉢だのお皿だのが転がっている隙間に身を潜める場所を確保していた。
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ちび若丸の隠し砦だ。


チーチー鳴き声が聞こえるのに姿がない! 
父さんはベランダを右往左往していた。空になった巣の前へ行っては思案顔、卵のある巣の手前まで戻ってはふと考えて引き返し、どこにいるんだ出ておいでと、御用済みのシールドライトが立てかけてある隠し砦の前でオロオロしている。
うおォ!? ここか? と覗き込んで砦に入っていこうとしても、体が大きいから先に進めない。あげく首をすくめて退散する。
なんだい、ちび若丸ったら立て籠もって反撃しているのか? 
『難攻不落のちび若丸よ!』。。。きみ、なんかちょっとちがうような
ごはんの時間じゃないか。反抗期かい。

するうち、ちび若が飛び出してきて、めでたくごはんタイム。

状況が見えている野次馬からしたら、オロオロ父さんがなんだか人間の親の姿に重なって、しみじみと愛おしくなっちまったよ源次郎父さん。



6月18日
ちびの隠し砦を大きく隠しているシールドライトの向こうに、めだか水槽の蓋代わりにガムテープで補修しながら使っていたガラス板があったのを思い出し、危ないものは除けておこうとガサゴソやっていたら、抱卵で座っていた源次郎父さんが、目を丸くしてじーっと作業をみつめていた。
ちびが居る所になにするだ という顔だ。
ガラスを取り出して、はいこれで安心、とみたら父さん中腰になって身を乗り出していた。
子を思う親心。
これはかくかくしかじかで安全になりましたよ、とご説明申し上げたら、そうですか とようやく座った。



6月19日
隠し砦を覗いたら

皿入り息子
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鳩ではあるが、思わず“ねぎ”を思い浮かべたら、間違いなく日本人である。



6月21日
風雨荒れる
風に翻弄されたすだれに当たって棚の鉢植えが落ちた。
せめて多少の雨よけになればと思ったが、かえって危険かと巻き上げに外に出たら、源次郎父さんが巣から出てそちらへ行こうとしていた。

ちびの隠し砦の脇に落ちたので、心配したようだ。
鉢は片付けすだれを巻き上げて一応の危険物を除いたら、父さんは卵のもとに戻った。
吹き込む雨の滴を背中に受けながらしっかり抱いている。


びしょ濡れになりながら夕方やってきた母さん 
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雨が横から吹き込む

試練だ 耐えろ ちび若丸
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6月22日
元の巣に登れるようになったのだ
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ちびはお父さん子
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そうなるよね。
ごはんはいつもお父さんからもらっているし、
母さんは卵にかかりきりで、珍しく近くに来たからといっても相手をしてくれない、すぐに飛んでいってしまうし



6月23日
ちび若は身を隠すのが上手だ。
どこにいる? と探し回り、端の隙間から落ちたかと下を覗き込むというのを繰り返す。
だいぶ大きな羽ばたきができるようになってきたけれど、なにしろまだ翼が未完成だから。
ベッドの下にちびの糞(判別容易)が10個ほどコロコロしていたが、いつのまにか入り込んでいたんだね。
いつでもおいで。

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6月24日
ついばむことが出来るようになった。めだか水槽の水草をつついてみた。

父さん(左)がみている
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6月25日
縁にのれるよ! (手前がちび若)
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初心者につき 向きを変えると尾羽が水浸し
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6月26日

母さんと
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父さんと
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おお、おでこに白い差毛が
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お ま け


隠し砦のちび若丸
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posted by そら猫@あやまろ工房 at 00:28| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花鳥風月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月14日

べらんだ日和 また卵が

大きくなぁれ


ちびちゃん、生まれて10日目で夜は一人で過ごすようになって、体を寄せ合う相方がいなくて寒くないかと心配したけれど、幸い天候が崩れることなく無事に育っている。
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二日遅れで生まれた卵は小さくて、一目見てこれは無理かもと思っていたが、ちびちゃんが孵ったころ、親鳥も見切りをつけて抱かなくなっていた。生き残ったものが生きていく。


ちびちゃんの脇の水槽では毎日ひとつずつ、あさざが咲いている
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翼の先に黒いラインが出てきた。うん、父ちゃんと母ちゃんの子だ。




で、今朝なんだけれど、なんですか、これは!
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ちびちゃんのいる鉢はベランダの向かって左にある。
その反対の右にある鉢に新しく卵が!!・・・


ちびちゃんが給餌のときチーチー鳴くようになってから、両親そろってやってきては片方が給餌片方が周囲の警戒に立つという体制をとっていて、野生の子育てに感心していた。

母さん給餌中
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父さん警戒中
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そろってわが子の警備にあたる
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昨日は両親がいつもより頻繁に、かわるがわる物静かにファササ、パタパタと出入りしていた。ひなちゃんの見守りにきているとばかり思っていたのだが。

おーい、子育て中にもうひとつ巣を作ってそっちでも卵産んで、同時進行で育てるっていうのありなのかい?

とてもびっくりしているんだけど

それにしてもいつのまにかきれいな巣を作ったものだね

巣作り上手になったお父さん 抱卵中
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ベランダの真ん中になんとも懐かしい洗濯ばさみがころがっていたけれど どこから来た?
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手袋に続く鳩のおみやげかな 
 お気遣いなく━




posted by そら猫@あやまろ工房 at 17:25| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花鳥風月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月04日

べらんだ日和 こんにちは雛ちゃん


5月29日に一羽生まれました。鳩の雛ちゃん。
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おとうさんと一緒
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金色のうぶ毛で、小さくてうにゅうにゅと動いていたのが、ごはんをしっかりもらって、ぽってりした黒っぽい体になってきた。大きさは、一週間経ってただいま鶏卵にオリーブの実を乗っけたぐらい。


生まれた日、夕方から抱卵保温担当のお母さんがやって来た。その後から交代したお父さんが飛んできて私の視界からはずれるように降りて姿は見せなかった。離れて見守っていたのだろう。

お母さんはまずゆっくり巣を覗き込むと、雛が出てきた殻の片割れを嘴にくわえて南の方へ飛んで行った。
どこかへ片付けてきたようで手ぶら、いや口ぶらで戻ってきた。
そのあと雛と卵をいつものように抱いた。


殻について


この殻は交代のときに、お父さんが片付けたか。
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こちらをお母さんが片付けに行ったのを目撃。
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殻の割れ方が、きれいに一周した痕になっている。親が主導で割ったかもしれない。まるで職人技。


引きつづき親鳩は、雛を育てながらもう一つの小さい卵を温めている
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・・・はみだしてるね ・・・


不在時にそーっと雛の写真を撮りに行ったら、音もなく戻ってきていた源次郎に、後ろから
クルックックー クルックックー 
 
😠
と大声でどやされて、ゴメンナサイと後じさりしながら退散した。



邪魔者を追い払った父さんの勇姿
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ひたすら子育てにいそしむお母さん
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posted by そら猫@あやまろ工房 at 07:25| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花鳥風月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

べらんだ日和 父さんの休憩

うちのベランダで子育てをしている鳩夫婦は、夜は雌が昼間は雄が、交代で卵を抱いて温めている。
雛が生まれればそのままの時間割で温めたり口移しで給餌をすることだろう。


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島根県の雲南市で、コウノトリ夫婦が電柱上に営巣し子育てをしていたが、お母さんがサギ駆除のハンターに撃たれて亡くなってしまった。
お父さんが単身で、残された4羽の雛の給餌育児を続けていたが、特別天然記念物という身分である、人間達は観察を続けた結果、天敵襲撃の危険、暑さがつのる季節となることを考慮して、4羽の雛は兵庫県立コウノトリの郷公園という専門の施設に移って人工飼育されることになった。

雛はタオルにくるまれて巣からだされていた。ほぼ3kgで、順調に育っていたということだ。

お父さんは人が近づいても巣から離れようとせず、保護作業中いったんは離れたものの、作業が済んでから空になった巣に戻ってきていたという。
特別天然記念物である。お父さんも観察が続けられるという。

ハンターはサギ駆除中の誤射だったそうだ。

この季節、サギにも家族がいて親を待つ巣立ち前の子がいる。ということは、とあるサギの一家でも、お母さん帰ってこないね、遅いねどうしたんだろう、という会話はあるということだ。
自然界に生きていればあちらこちらで起こること、交わされる会話だろう。
しかし人間が絡むとどうにも後味が悪くて不機嫌になる。

鳥で片親では育児は難しいだろうから、雛の保護にはホッとしている。しかしお父さん鳥はせつない。
長野の北信地方ではこういうとき『もうらしいなぁ』という一言に万感が込められる。かわいそうだという意味だが、方言特有の微妙な様々な感情が入っている。


去年ベランダで子育ての途中、雛2羽を亡くしたときの鳩の夫婦はずっと低い鳴き声を交わし続けていた。


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抱卵中、源次郎父さんちょっと一服
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ふー かたこっちゃった



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かぜにあたって おひさまあびて



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んー いいきもち



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ふぁ? おい、そこ なにしてる!



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うろうろごそごそ するんじゃないよッ



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ったく ゆだんもすきもあったもんじゃない



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オラオラッ!! たまごちゃんになにかしたら ばいがえしじゃすまないど! プンスカ! 



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もどったよー ぶじだったね



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さあ はいって はいって



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あったかくしようね






なんときれいなハートマーク
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小春ちゃん











posted by そら猫@あやまろ工房 at 19:56| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花鳥風月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

べらんだ日和 季節はめぐる卵はふたつ

5月11日の午後、鳩の小春ちゃんが産卵。

その日は夕方の6時ころになっても植木鉢に座り込んでいたので
「おや今日はゆっくりしているね」
と声をかけてからふつふつと湧いてきた既視感、
去年『あら、きりちゃんまだいたの、今夜はおとまりしていくかい?』  翌朝卵ちゃん登場

もしかして、かもしれない!
小春ちゃんが飛び去ってから覗きに行くと、あった。

11日
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しかし暗くなっても小春ちゃんは戻ってこなくて、卵ちゃんはひとりで夜を過ごした。
生まれるや浮き世の風にさらされていた。 

去年は、むきだしに置かれた卵に、親がいなーいッ! 親がいなーいッ! と第一発見者にんげんがおろおろしてしまったが、このあいだなんの野鳥の記事だったか
“親鳥は4~5個の卵を産んでから温めはじめる”というのを読んで、抱卵てまとまってからして大丈夫なのか、不思議だけどそれでいいんだ、と感心していたのだ。
そういえば、スーパーで買ってきたウズラの卵からヒナを孵化させたなんて話題もあったのを思い出した。


鳩は通常二個抱卵する。

というわけで、二日後。

13日
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こんなに大きさに差があってだいじょうぶなのかな? 小春ちゃんもしかして初産で体調不安定だったりして?

ちなみに去年 
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巣の違いが目を引きます。

去年はきりちゃん&源次郎の物語
http://studio-ayamaro.seesaa.net/article/438884991.html?seesaa_related=category


今年は小春ちゃん&源次郎の愛の巣。。。
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愛の巣😃😵
卵が産まれてから源次郎が、文字通りバタバタして10cmぐらいの細い枝をくわえて戻ってくるとチョコチョコ急ぎ足で巣のある鉢のところへ走って届けにゆく、これを何度も何度も繰り返していた。
巣材の長さ、去年は5cmぐらいだったけど、今年は10cmになった。嫁さんの要望だろうか。
巣作りと抱卵が同時進行。

源次郎クンよ、だから言ったでしょ、巣をきちんと準備してから卵産んでもらおうねって。
でも、ほんとはキミは左のプランターを巣にしたかったんだよね、でもでも小春ちゃんが鉢の木の根元がいいって譲らなかったから、キミが折れたんだよね。知ってるよ。
プランターの土を一所懸命に整えて、出来たよーって何遍も誘っていたものね。
めげるなゲンジロ。

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でもなぁ、卵を産むのは小春ちゃんだから逆らえないよ、なぁ。

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ここがいいとおもうんだ


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こっちがいいわ


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左:源次郎 右:小春
なんでイヤ?・・・わかった わかったよ
  

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小春ちゃん
木に隠れて周囲の雑音から逃れた気分になれる? なるほど、落ち着くかもしれない

なんだか後姿がたくましくなったような
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posted by そら猫@あやまろ工房 at 19:06| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花鳥風月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月04日

めだかに塩

室内水槽のふくちゃんが元気をなくし、水草のなかに隠れたままめっきり顔を出さなくなってしまった。

魚が病気になっても連れて行くお医者さんがないのが口惜しいところだ。
もっとも・・・開腹手術したら、開きか三枚おろしになっちゃうし・・・ましてやめだか、どうするだ。

こういう時うちで出来るのは、瀬戸内の海からとれた塩を大さじたっぷり一杯水槽に投入することくらいだ。
もっと入れてもいいのかもしれないが、これまでの経験で、これくらいで小さい連中は元気が出ていた。

翌日ふくちゃんは姿をみせたが、いつのまにか右ひれのつけ根が腫れていた。
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こういう症状は初めて見た。
もう一回塩の塊を投入しておいたが、、、

バランスがとれなくて懸命に垂直泳ぎをしている姿を見るのはやりきれない。
水草の上に乗っかって休んでいたので、そうそれでいいんだよと声をかけた。
寝ながらエサを食べればいい。





ちりて後おもかげにたつぼたん哉
                蕪村









posted by そら猫@あやまろ工房 at 22:23| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月30日

寄り道蕪村 象に海鼠に 四

《寄り道蕪村 つづき》

象の眼の笑ひかけたり山桜
ぞうのめの わらいかけたり やまざくら

はじめて読んだとき、柔和な眼をした象が上機嫌で桜を見上げている、象のお花見の図が浮かんだ。
異国出身の象と桜の取り合わせが新鮮で、おだやかでのどかで、いいなぁと感心した。

上野動物園のケープ・ペンギン(別名アフリカペンギン)たちが桜吹雪の名残を黒い背中にいっぱい貼り付けているというのも、おおいに和みながらよくよく考えれば、普通はありえないこの取り合わせ、実はとんでもないものを見ている、凄い時代だ。。

ここ日の本では猫も杓子もお花見するのさ。


さて句の背景はというと
51歳のとき、蕪村は妻子を京都に残して讃岐に行った。
讃岐、香川県、讃岐うどん━当然食べたことでしょう

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金毘羅祭礼図屏風より うどん打ち (金刀比羅宮所蔵)


それはさておき

その山、象の頭に形が似ているということで、四国は 讃州那珂の郡 の象頭山
中腹に金毘羅大権現こんぴらさんがある。絵ではちょうど目のあたり。


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共に 歌川広重 画


すなわち山桜咲く季節、目の前の景色全体を象が花見をしていると、スケールの大きな見立てをした作だそうだ。


同時代の伊藤若冲は独特で強烈な象を描いたが、蕪村は画いていないようだ。
かわりに一句をもって花見する象の姿を呼び出し想像させる。


今年の桜の季節、外出してバスから眺める風景の、あちこちに点在する満開の桜と小さな山を、蕪村にならって、象の花見といって楽しんだ。
あらためてみると、とびとびながら桜は思わぬところにけっこうあるものだ。

花見というと、とかく桜並木の下へ行きたくなるものだけれど、そして頭上の桜の天蓋を見上げてただ見とれていたいのだけれど、どうしても坂口安吾の「桜の森の満開の下」を思い出してしまい、花から気がそれる。
なんとなくぼんやりと雰囲気に呑まれて読み進めるうち最後に至るあの話は、よくわからないのだ。無理やりわかろうとして頭をひねったところで味気ない、と思うのでよくわからないままほうりだしている。考えるな、見よ━思考放棄。花の幻想。それでいいのだ、という声が聞こえる。

作品の背景がどのようなものであれ、また作者から明確に託された意味があるにしても、作品はそのまま鑑賞者の前に差し出される。
鑑賞者としては、好きに想像を広げて楽しむ。
時に作者からしたらぶん殴りたいようなトンチンカンなことを開陳してみせることだろう。しかし時には無邪気に作品の真髄を突いてみたりもする。

ともあれ、この句を読むと、象がうれしそうに鼻を上げて山桜を見上げている姿を思い浮かべて、私は笑顔になる。


大鼾そしれば動く海鼠かな
おおいびき そしればうごく なまこかな

とても素直に、いつか魚屋の店先で覗き込んだ桶の中の海鼠を思い出し、なまこって音たてるのか鳴くのか声をかければ応えるのか、と新発見の気分になった、、、冷静になって鳴くわけないよね、と苦笑い。
いや、うちのめだかは呼べばけなげに胸鰭や尻尾をひとしきり動かしてくれるから。

ごろんと横になると海鼠みたいな体型のひとが蕪村さんの近くにいたのね。


あたまからふとんかぶればなまこかな

おもふこといわぬさまなる海鼠かな


海鼠には海鼠なりの憂いがあるようだ。



人間の海鼠となりて冬籠る
                        寺田寅彦
敬愛する寺田寅彦もなまこを題材にしていた。




さびしさに花さきぬめり山ざくら


<寄り道蕪村> 続く...



posted by そら猫@あやまろ工房 at 13:59| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月02日

人間はそんなにエライんか?


十代のころ、父に
「人間がいなくなったほうが地球全体の為にはいいことなんじゃない?」といったことがある。
父はしばらくの間黙っていたが
「お前のその考え方はもういっぺん考えなおしてみないか」と静かに答えた。

あれから何十年もたったが、私の頭の中ではずっと十代の問いが繰り返されるばかりだ。



狩人の矢先としらぬかの子哉  狩人に狙われているのを鹿の子は知らない
鹿の子や矢先もしらでどち狂ふ  鹿の子は矢で狙われているのも知らないではしゃいでいる
鹿ねらふ手を押へたる小てふ哉  鹿を狙っている狩人の手に胡蝶がとまった
小林一茶




  丹後国にて、(夫の)保昌あす狩せむといひける夜、鹿のなくをききてよめる

ことわりやいかでか鹿の鳴かざらむ今宵ばかりの命と思へば
  どうりで鹿がなくわけですね 今宵限りの命と思えばそれは啼きもしましょう
                                           和泉式部



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ジャック・カロ作


現在聴けるG.マーラーの交響曲第1番ニ長調は、4楽章仕立ての第三稿で、第二稿は2部に分かれた5楽章仕立てだった。各楽章に副題がついていて
第2部 人間喜劇
第4楽章 座礁、カロ風の葬送行進曲
カロとは銅版画家ジャック・カロのこと。上掲の画が元になっているというわけだ。
現行の演奏では第3楽章にあたる。副題はマーラー自身が第三稿でとりはずしている。



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<青森県>ニホンジカ「全頭駆除」へ全力
河北新報 4/2(日) 15:00配信

青森県>ニホンジカ「全頭駆除」へ全力

 青森県は本年度、県内各地で急増するニホンジカ対策に全力を挙げる。1日当たりの捕獲数上限を撤廃し、事実上の「全頭駆除」を狙う。放置すれば急速に進む森林被害を食い止める構えだ。
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posted by そら猫@あやまろ工房 at 21:13| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする